名前 | M.S |
---|---|
職種 | ジャズバー |
地域 | 茨城 |
時給 | 1,000円(10年以上前) |
近所の工場で昼間、倉庫の資材管理のバイトしていましたが、仕事内容が殺伐としていて、違う職種で働きたいと思っていました。
私は離婚したシングルマザーだったので、20年近く前だったということもあり、一緒に働くパートの方の好奇の目や、よそよそしい対応がとても嫌だったということもありました。
飲み屋さんの雰囲気が好きだったので、こじんまりした個人経営の居酒屋で働きたいという希望を持っていましたが、なかなか見つからず、当時客として通っていたジャズバーのママに相談したところ、「うちで働かない?」と誘ってもらったのがきっかけです。
ジャズバーで働いてよかったことは、毎週行われる生のジャズライブを、仕事しながらではありますが聞くことができたということです。
私はそれまでジャズに関しては全く知識がなく、今でも特に詳しいわけではありません。
でも、日本ではマイナーな分野ですが、いつも一流の音楽を聴いていたので、耳が肥えました。
いい音楽を聴くと、感動しますし、人生が豊かになると思います。
今思えば仕事をしながらストレス解消をしていたようなものでした。
ライブが終わった後に、ミュージシャンとお話しできるチャンスもあり、ためになる話やおもしろい話を聞けることもありました。
また、ライブがないときはバーとして営業していたので、カウンター内で作業しながらお客様とお話をするのですが、多くの方とお話しできて、今思い返すと私の人生を形成したと思います。
年配の方の経験や、若者の勢いのある話など、もし工場で働いていたら、会うこともなかったであろう人々の話が聞けたことは、私のかけがえのない財産となりました。
そして、オーナーのバーのママがとても良い方で、わたしの置かれている状況をよく理解してくれて、時間を融通してくれたり、悩みを聞いてくれたりしました。
きっぷがよくて、男前とでもいうべき人でした。
夜の仕事をしている人は、人生経験も豊富だし、つらい思いをしている方も多いので、心が優しく、なおかつ頼りになる人が多いのではないでしょうか。
働いていて嫌だったことは、やはり客商売ですからいろいろなお客様がいる、ということです。
単に気が合わない、生理的にイヤという、こちらの勝手で苦手意識を持ってしまうこともあれば、お金を払っているのだから、私たち店の従業員には何を言ってもよい、と勘違いしているお客様もいました。
お酒を飲んでいるということもあり、ねちねちといじめられることもありました。
普段はおとなしいのに、酔っぱらって豹変する人もいましたね。
長々と愚痴を聞かされ、こっちまでどんよりしてしまうこともありました。
わたしはそこそこ年を取った女だったので、下心があって近づいてくる人はめったにいませんでしたが、若い従業員は本当に嫌がってよく怒っていました。
私たちはお客様の横に座って、濃厚に接客するわけではないし、もしそれを望んでいるなら、もっと別の店に行ってくれ!と。
それと夜の仕事はやはり疲れます。
生活のリズムか乱れて、昼間はいつも眠かったです。
夜の接客業は、ちょっとしたカウンセラーだとわたしは思います。
お客様は無意識に、昼間のストレスを発散したいのです。
時に負の感情にのまれてしまうと、こちらも運気も下がってしまうので、意識的に流せるようにしておいたほうがいいのではないでしょうか。
ネガティブなことをいちいち覚えておかない、と言うことも必要です。
あとは仕事が終わった後に、勢いで飲みに行ったりすることもあると思いますが、ほどほどにしないと体を壊す原因になります。
調子に乗りすぎて、記憶を失うほど飲んでしまい、体だけでなく、メンタルにも響くことがありました。
大変なことも多いですが、人と触れ合う仕事は得るものも多いと思います。
わたしは15年ほどジャズバーで働きましたが、いい経験だったと思っています。