名前 | ルシ |
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職種 | クラブ |
地域 | 京都祇園 |
時給 | 1,500円 |
水商売と呼ばれるものをしようと決めたのは離れて暮らす祖母の病気でした。
わかった時にはもう手の施しようがないと言われ、余命も言われました。
何とかしたいという思いから、いろいろなものを調べていくうちに、漢方にたどり着きました。
漢方薬ってとっても高いんです。
そのとき私は、京都で一人暮らしの会社員でした。
お給料も高くはなく、高額な漢方薬を買う余裕など全くありませんでした。実
家の両親を暮らす祖母に何かできることはないか?思いついたのが水商売でした。
両親にそんなことを言うと絶対に反対されると思ったので、誰にも内緒で始めました。
最初は嫌で嫌で仕方がなかったです。
派手な衣装も着たことがなかったし、昼間の仕事が終わってから夜の仕事だったので、体もくたくたでした。
慣れない接客、お酒の相手、本当に辛かったです。
一番辛かったのは、そのお店の一番人気の女の子と一緒に接客していたとき。
その子が席を外れると、お客さんがすごく横柄な態度になったんです。
「おまえと話すためにお金を払ってるんやない。」と言われました。
そんなこと、この世界では当たり前なのかもしれないけど、普段、普通に会社員として生活している私には、その侮辱されたことがかなり傷つきました。
あと、無理やりアフターというものに連れて行かれたことがありました。
お客さんもほかの女の子もすごく酔っ払って、私は次の日も朝から仕事だったので先に帰ることにしたんです。
そうしたら、一人のお客さんが外まで送るとついてきました。
帰ろうとしたら、その人がキスをしてこようとしたんです。
拒絶したら怒られてしまうと、怖かった私は、「ほっぺたにお願いします。」というのが精いっぱいでした。
ほぼ初めて出会う人にほっぺたにキス。
自分がとても穢れたような気持ちになりました。
自分が本当に初心で、今まで本当にのほほんと生活していたんだなと思い知らされました。
親にも申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
でも、悪かったことばかりではありません。
お店のスタッフ、ママ、女の子はみんな良い子で、いつも私を助けてくれました。
慣れない私に気軽に話しかけてくれ、ママは私にできるだけ優しい、酒癖の悪くないお客さんをつけてくれました。
その甲斐もあって、水商売はいけないことだと思っていた私の先入観はなくなっていきました。
お客さんと話をすることを純粋に楽しめるようになってきたんです。
ある日、初めて夜のお店に来られたお客さんを接客しました。
緊張されていたお客様と会話をすることを楽しもうと決め、穏やかな楽しい時間が過ごせました。
お客さんが帰り際、「こういうお店がこんなに楽しいとは思わへんかった。わざわざお金を使ってアホらしいと思ってたけど、楽しかったわ。ありがとうな。」と言って握手をしてくれました。
すごくうれしかったです。
水商売は、抵抗があるかもしれませんが、それは自分の中の偏見が強かったからだと今では思えます。
なにより、お客さんとの会話を楽しめば、自分も楽しい時間が過ごせますし、時給もほかのバイトと比べると高いですし、利点はたくさんあると思います。
あと、人と話すことが以前よりもずっと得意になりました。
初めての方と話すというのは最初は戸惑うことばかりでしたが、慣れてくると、これから就職活動やいろいろな場面においても本当に役に立ちます。
社会勉強として、水商売、夜のバイトというのはかなりお勧めです。